わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
脱いだ
「あなたは天国に行きなさいっ」

はっ?

一瞬、言ってる意味がわからなかった。

「おい、そんな勝手に…おれは、やっぱり無にいくべき人間だったんだ。おれは今も彼女を好きだ。死んだのはそれから逃げるため悪の気持ちが勝った。自殺だったんだよ」

Kは、はいはいと頷きながら言う。

「あなたなら、そう決めるでしょうねー。でも、ぼくはジョーカーじゃないですから」

「……」

「あれは事故ですよ。彼女のために指輪を買った帰りに、自殺ってふつーありえないでしょ?」

Kが笑声で話す。

「早く行ってあげてください。彼女がお礼を言いたいみたいですよー」

「そんな甘い裁きをしてたら、天国がいっぱいになってしまうぞ」

「ま、そのときは、そのときですって」

「…ありがとうな」

「お礼を言うのは、彼女を見つけてからでしょ。天国は広いんですよー」

Jはゆっくりと仮面を脱いだ。
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