わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
「初めて素顔を見ましたよー、いい顔してますね ! あ、イケメンって意味じゃないですけど」

「ふっ、一言、余計だっ」

「今までお疲れさまでした。そして、ありがとうございましたっ」

Kが深々と仮面を下げて言う。

「じゃ、あとは頼んだぞ」

と言って部屋を出ようとするが、

そのあと足が進まない。

立ち止まって、Kを改めて見つめた。

「立派な姿だぞ、少し小さいけどな」

「そっちも、一言が余計だしーーー」

もう、こっちに来た頃の姿はない。

見た目は小さいけど…

その中身はちゃんと伝わってくる。

「今のおれがあるのは、お前みたいな部下に出会えたからだ」

「あと、彼女にもでしょー。ぼくもあなたに会えて彼女の人生を見て、ここまで成長できたんですから ね。さ、早くっ」

彼は出ていくように、手を軽く振る。

おれは深々と頭を下げて…

部屋のドアを閉めた。
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