わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
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そんな人生に正直、後悔はなかった。

「末期のガンです」

と告白されても死の恐怖は感じなかった。

わたしは生き抜いたんだって、

満足感のほうがあったくらい。


ま、突然の事故と違って…

ガンだったから、

余命もだいたいわかってたし、その間にいろいろと考えることもできた。

少しずつ死ぬ準備ができたよ。

事故で…

突然に死んでしまった彼と違って。

やっぱり、彼を思い出してしまう。

年齢だけ重ねたけど…

あんまり成長してないわたしが、

まだいた。
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