今宵、きみを想う
 貴方の申し出を断るためじゃなくて。


 直ぐに返事できなかった過去の私に対する謝罪。


 嬉しかったこと。


 泣いてしまいそうだったこと。


 だけど、好きすらまともに言えない私には、ただイエスと答えることすら緊張しすぎて言えなかったこと。


 ひっくるめてごめんなさいと言って。


 それからキスをするの。


 キスして、じゃなくて……奪ってやるの貴方から。


 だから言わせて?



 愛してるって―――



 私、あなたの隣にずっと居たいから。


 お願い、待ってて。


 ただ逢いたいんじゃない。


 私は、私の思いを告げるために貴方に会いに行くから……


 *

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