気まぐれ王子とサル女



「陽葵ごめんってば!
爽太を振り向かせるために
頑張って女子力あげてるのに
あいつってば
何にも言ってくれないんだよ!?」



私が不満そうにそういうと



「爽太は不器用だから
そういうこと簡単に言えないんだよ。」


陽葵がそんな風にいうと
なぜか納得してしまう。


「そーなのかなぁ。
陽葵は、今の私と昨日までの私だったら
どっちが好き?」


そう聞くと陽葵は
ニコッと笑い


「今の七海!」


と即答した。


その後

「そうやって誰かのために
可愛くなろうって頑張ってる姿も
いいと思うな。」

と、つけたしていつものように
私の頭をクシャクシャっとなでて
教室へ戻って行った。




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