続・星屑チョコレート【短】
やっと春が来た。
そんな風に感じるようになった季節でも、夜はまだまだ冷え込む。
だから、ブラウスと薄手のカーディガンとトレンチコートという服装のあたしには、目の前に広がる夜景を楽しむ余裕は無い。
第一、あたしは夜景にあまり興味が無いのだ。
「はい、繭(マユ)さん」
反して、隣にいるこの男はいつものようにヘラリと笑い、すぐそこの自動販売機で調達したブラックコーヒーを差し出した。
「……ねぇ、橋本(ハシモト)君」
「あ、また名字で呼ぶー。もう付き合って1ヶ月なんですから、いい加減に名前で呼んで下さいよー!」
子供みたいな不満げな顔は、お預けを言い渡された犬に似ている。
そんな風に感じるようになった季節でも、夜はまだまだ冷え込む。
だから、ブラウスと薄手のカーディガンとトレンチコートという服装のあたしには、目の前に広がる夜景を楽しむ余裕は無い。
第一、あたしは夜景にあまり興味が無いのだ。
「はい、繭(マユ)さん」
反して、隣にいるこの男はいつものようにヘラリと笑い、すぐそこの自動販売機で調達したブラックコーヒーを差し出した。
「……ねぇ、橋本(ハシモト)君」
「あ、また名字で呼ぶー。もう付き合って1ヶ月なんですから、いい加減に名前で呼んで下さいよー!」
子供みたいな不満げな顔は、お預けを言い渡された犬に似ている。