サラリ-マンと女子高生



「落ち着いた?」



「…はい」



その後私と颯さんは他愛もない話しをたくさんした



颯さんの学生の頃の話、私の高校の話、そんななにげない話でも私にとっては全てが宝物みたいに輝いていた




「じゃあ…どうしよっか」


颯さんに言われて周りを見るとディナ-の時間が近づき始め、お客さんが増えてくる


それは終わりを示していた



嫌だ…このまま終わったらもう会えなくなる


沈黙が私を焦らせる



「とりあえず出よっか」


颯さんが椅子から立ち上がると私もつられて立ち上がる


つい癖で鞄から財布を取り出すと、

「お礼じゃなくなるから」と颯さん笑われた



会計をする時、さっきの店員さんとは別の店員さんが今度は颯さんに話しかける



颯さんはそれをやっぱり上手く受け流して私達は外に出た


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