君をずっと見てたよ。
隣人は強引に唇を奪った。
「……はぁっ」
スマホを何度も確認しては、ため息をこぼす。
これで何度目だろうか。
彼氏が出張に出てから早1週間。
連絡すると言われ、もう1週間も連絡がない。
かと言って忙しい彼に、自分から連絡することも出来ない惨めな自分。
彼に会えない寂しさと、自分の惨めさが入り交じって複雑な気持ちになる。
「……はぁっ」
「これで8回目」
「っ!?」
声のするほうに思わず振り向いた。
「ごめん。驚かせた?」
「……いえ」
もしかしてお隣さん?
知らなかった……。
お隣さんて、けっこうイケメンなのね。
「やっぱり誰?って顔してるね。俺は篠宮雪哉。ちなみに26。よろしく」
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