君に逢いたくて~最後の手紙~
「俺にもちょうだい!」


そう言って私の手を掴んで
私の持ってるスプーンをくわえた隼人。


私は隼人を見て、固まった。


「おい!どうした?」


隼人は私の前で手をふっている。


「あ、ごめん…」


「大丈夫か?」


いや…


大丈夫ではないよ。


だって今のって、間接キス…でしょ?


もう!


考えただけで恥ずかしい!


「え?もしかして、間接キスが
恥ずかしかった?」


「………」


無言の私…。



「そうなんだろ?おい。
言えよ!」


え?


なんか隼人、言葉遣い変わってない?


それに、俺様?


「…は、やと?なんかいつもと
言葉使い違うんだけど…」


「あ!ごめん!びっくりした?」


「うん」


ほんとにびっくりしたよ。


「ごめん。忘れてくれ!」


「う、うん」


よくわからなくなった私は、
とりあえずそう返事した。
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