君に逢いたくて~最後の手紙~
「…そっか…。大丈夫って、
伝えといて」



「うん」



私が優斗の体のそばに手を置くと、
優斗は私の手を包みこんだ。




優斗の手は温かくて、
優斗が生きてるんだって証をくれる。





「…梨衣奈…ごめんな…。
ずっと一緒にいられなくなっちゃった」



そう言って弱々しい笑顔を見せる。




「…ううん。私は大丈夫だから…」




私は強く笑って見せた。




でも本当は全然大丈夫じゃない。



目にはうっすら涙が溜まる。





「無理しないで…。今にも泣きそうな
顔してるよ?」



優斗は私を抱きしめた。



優斗には何でもお見通しなんだね。



ほんとに…。




優斗がいなくなるなんて考えられないよ…。
< 179 / 209 >

この作品をシェア

pagetop