君に逢いたくて~最後の手紙~
…でもね、急に、梨衣奈ちゃん
との約束を思い出して、
それからこの子は変わったわ。



治療に専念して、

そして……退院することができた。



どん底にいたこの子は、
自分の力で這い上がってきたのよ。


それは……簡単にできること
じゃない…。



優斗はね、あなたのために…
頑張ったのよ」




優斗のお母さんは、涙を溜めて
そう話してくれた。



「そうなんですか…。
…強いですね。ほんとうに…」




私の目からは、また涙が
出てきた。



「…ん…。んん?梨衣奈?」



目が覚めたのか、
優斗が私の名前を呼んだ。



「…うん?優斗…起きたの?」



私が聞くと、優斗は優しく笑って
うなずいた。



そのあと、私たちは4人で
しばらく過ごした。



そして、帰る時間になった。




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