君に逢いたくて~最後の手紙~
私は泣きながらそう言って
二度と動かない優斗を
抱きしめた。



その温もりを忘れぬように…、
ギュっと……思いっきり…。




…そしてゆっくりと離れる。




「梨衣奈ちゃん…」



優斗のお母さんが私を
抱きしめてくれた。



「優斗を…愛してくれて
ありがとう…。
喜んでるわ…きっと…」



「…はい」






その日、お通夜が行われた。



私はただ…呆然としていた。


正直、まだ信じることができてない…。



もう、あんなに優しかった優斗と
一緒に笑い合うことができなく
なるなんて…。



そんなの…考えられない…。



優斗のいない世界なんて、
想像できなよ…。





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