君に逢いたくて~最後の手紙~
「梨衣奈、あたしたちは、
ずっと友達だよ」


…美夏。


「これからも仲良くしようぜ!」


…亮太君。


「これからも、よろしくな」


…慶介君。


みんな、ありがとう…。


「ふぇーん。
…みんな、ほんとにありがとね」


…みんな大好き。


「梨衣奈、好きだ。
ずっと一緒にいような」


聞えたのは、隼人君の


優しい言葉。


「うん!」


そのときまだ、私は自分の


左手薬指にはめられてるものに、


気づいていなかった。


「梨衣奈、左手見てみ?」


え?左手?


不思議に思いながら


左手を見ると…。


「……これって」


指輪?


「俺からの誕生日プレゼント」


「あ、ありがとー。
ふぇーん」


また涙が出てきた。


「泣き虫だな」


普段だったら、言い返す言葉も、


今は気にならない。


「みんな、ありがとう」


私、みんなと出会えてよかった。


友達って、彼氏って、


こんなにも温かいんだね。


この日は私にとって、


忘れられない思い出となった。

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