君に逢いたくて~最後の手紙~
「高校生になって、美夏
と合コンに行った。

そこで私たちは出会った。

でも私は正直乗り気じゃ
なかった。

まだ優斗のことを待っていたから」


隼人は優しく私の手を握った。


「でも隼人と話して、
ご飯食べに行って、だんだんそれが
楽しく思えるようになった。

最初は隼人に対して好き
とかの感情はなかったけど、
いつの間にか好きになってた。

そしていつの間にか、
心から笑えるようになった」


「…そっか。よかった」


「うん。ありがと。
正直に言うけど、私は隼人の
笑顔が大好きなの」


……恥ずかしい…。


「ありがと。俺も、
梨衣奈の笑顔、好きだよ。
…だから笑って?」


私は涙を流しながらも、
精一杯笑った。


……心から。


「…可愛いよ、梨衣奈」


隼人の優しい言葉。


…好きだよ、隼人。


私と出会ってくれてありがとね。


「落ち着いたか?」


「うん」


私はしばらくして泣きやんだ。


「じゃあ、暗くなってきたし、
帰ろっか」


「うん」


そして私は隼人に家まで
送ってもらい、隼人は
歩いて帰って行った。
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