君に逢いたくて~最後の手紙~

初めてのキス

梨衣奈side


翌日、隼人はまた迎えに
来てくれた。


そしていつもと同じように、
登校して、教室の前で
別れる。


教室に入り、いつものように
美夏に挨拶する。

「おはよ。美夏」


美夏は机に突っ伏して
寝ていた。


私が声をかけると、
美夏は目を覚ました。


「…んー…おはよ」


美夏が背伸びをしながら言う。


「どうした?昨日眠れなかったの?」


珍しい…。


美夏が学校で寝るなんて。


「うーん…。昨日お父さんと
お母さんが離婚するって
大騒ぎして、離婚のことが
気になって眠れなかった…」


…離婚?


あんな仲よかったのに?


私が美夏んちに遊びに行った時は、
2人共すごく仲よかった。


「で?どうなったの?」


私が聞くと、美夏は微笑んだ。


「なんかね、仲直りしたらしいよ!
朝起きたら元の2人に戻ってた」


「そっか。よかった」


…よかった。よかった。


私はほっとした
気持ちで授業を受けた。


< 67 / 209 >

この作品をシェア

pagetop