君に逢いたくて~最後の手紙~
「俺、慶介と仲直り
したんだ」


「そうなんだ!」


「うん」


…よかった!


「もともと、俺らが悪くて、
でも向こうから謝ってくれた」


「ふーん」


どんなケンカしたんだろ?


「慶介、亮太とも仲直り
したらしい」


「よかったね!」


私が笑顔でそう言うと、
隼人も笑顔を返してくれた。


…かこいいな…


私がそんなことを
思っていると、隼人の顔が
だんだん近づいてきた。


…これって…


隼人の顔はもう目の前。


唇が触れそうな距離。


「いい?」


隼人が甘い声で囁く。


私は小さくうなずいた。


「…んっ……」


そして次の瞬間、私の唇に
温かいものが触れた。


優しさが私を包み込む。


隼人が私を抱きしめていた。


「…ん…」


だんだん息が苦しくなる。


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