白い羽




私は神崎 要(かんざき かなめ)。


どこにでもいる、ごくごく普通の、少し頭のいい女子高生だ。

















クラスが変わり2年生になって、だいぶクラスに馴染んできたくらいのこと。






廊下を歩く先生の靴音がコツコツと響く。


いつもと違うのはその足音が二つあるということ。


周りの子たちがコソコソと話をしている。





「またお前何かやらかしたんじゃねーの」





「バッカお前、そんなわけねーだろ!」





そういえばこの人たち、前先生に怒られていた。





「また生徒指導のセンセー?」




「はた迷惑じゃん」





全くその通りだ。


廊下の足音が止まった。きっと今クラスのドアの前にいるだろう。







ガラッ







「何だお前ら、そんなに怒られたかったのか」





「そんなわけないじゃないっすか!」






さっきの男子だ。そんなこと言うから目をつけられるのだろうに・・・・・






「今日は転校生だ。親の都合で引っ越してきたらしい」






クラス内でおおーっ!といった歓声が上がる。






「入ってくれ」





「失礼します」





「風間時雨(かざましぐれ)君だ」





控えめな挨拶のあと、顔が整った、声のとおり大人しそうな男子が入ってきた。





「イケメンじゃん!!俺の座が奪われる!?」




「お前ごときが及ぶか」





どっと笑いが起こる。風間くんは苦笑いしてるが。





「ほら静かにしろ、風間の席はあそこだ。」





彼の席は窓側の席だった。私の席はあいにくドア側の一番前なのでうらやましい席だ。





「よろしくな、しぐれん!!」




「よろしくな時雨。にしても馴れ馴れしすぎだろ、なんだよしぐれんって」




「こちらこそよろしく」




彼がふと空を見る。


にしてもかわった雰囲気の子だ。私は騒がしい男子より、こういう男子の方が好意的かも。




「じゃあホームルーム始めるぞー」





まぁそんなことはぶっちゃけどうでもいい。


彼とは大した関わりもなくクラスが変わるだろうから。
















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