クールプリンス
それから黒崎先輩とは
たびたび学校内で
見かける。
挨拶をすると、し返して
くるしとても優しい先輩に
ますますわたしは
ひかれていった。

ある日の放課後、雨が
降っていた。
やば…傘ない。
どうしよう…
すると、
「ほら」
後ろに居たのは黒崎先輩の姿。
「え…でも」
わたしは断った。
「いいから使え。濡れたら
風邪引くぞ?」

そう言って傘を差し出す。
「先輩はどうするんですか?」

「あー、俺車だから」
そう言って携帯を取り出した。
黒い薄型の携帯。
「ん?なに?」
わたしを見つめる。
「あっ!!いや…」
下を向く。
「アドレス欲しい的な?」
わたしは思わず、顔を
真っ赤に染める。
「ほ…欲しいです…」
真っ赤に染める頬。
それをからかうように
「やだ。」
えっ…?

ズキッー…

彼は舌を出し
「嘘。」
と言った。
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