TABOO Ⅸ~女の顔~


『迎えに行く』


その言葉に一瞬慌てそうになったけど、


「…酔ってるでしょ」


あまりにも平然と言うから、うっかり騙されるところだった。


『飲んでないし』


誤魔化すつもりらしい彼に呆れて、思わず笑いが零れる。


『なあ…』


急に落ちたトーンを不思議に思っていると、


『電話だとそばにいるみたいだな』


その言葉に、心臓が激しく音を立てた。


本当に耳元で言われてるみたいに聞こえたから。


やがて、あの感覚に襲われる。


息苦しくて、泣きたくなるような…


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