【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~




唇を引き結んだまま、小さく頷く。



とたんに、ドキドキしてくる心臓。熱く
なっていく頬。



彼の事を思い出しただけで、こんなにも
甘酸っぱい気持ちに満たされる。



やっぱり、好きだ……。



「……出ようか」



香坂が急にそう言って、まだコーヒーも
残っているのに、伝票を片手にレジに向
かってしまった。



そんな香坂の声が、どこか怒ったように
も聞こえて。



きっと気のせいね……。



そう自己完結させて、自分も席を立ち上
がった。



支払いを済ませて、外に出た香坂に駆け
寄る。



「香坂!ケーキ代……」


「いらない」



ケーキ代を渡そうとすると、小銭を握っ
た手を掴まれ。





< 134 / 426 >

この作品をシェア

pagetop