【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「──委員長、ちょっと来て」
そんな風に呼ばれたのは、その日の放課
後だった。
自分の席で、筆箱や教科書をカバンに詰
めていたら不意に影が落ちて。
見上げると、どこか不機嫌そうな香坂が
立っていた。
「え?何よ、急に──って、ちょっと!
」
言葉の途中なのに、いきなり腕を引っ張
られて、香坂に抗議しようとしたけど。
「ちょっと黙ってて」
いつもより一段と低い声でそう言われて
は、もう何も言い返すことが出来なかっ
た。
そしてそのまま、強引に引っ張られて、
どこかに連れていかれる。
その間、香坂はずっと無言で。
その長い足を惜しげもなく駆使して歩く
から、着いていくのが大変だった。
なに?どこに行くつもり?