【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
和馬君は何かを考え込むような険しい顔
をしていて、さっきの笑顔は消えてしま
っていた。
「和馬君? あ、そういえば今、なんか
言おうとしてたよね」
その途中で香坂が割り込んで来たから、
聞けずじまいだったんだ。
すると、和馬君は少しだけ微笑んで、私
の頭をくしゃりと撫でた。
「……やっぱ、なんでもない」
「……そう?」
なんでもないなら、良いんだけど。
「あのさ希美、一つ聞いてもいいか?」
「うん、いいよ?」
私で良ければなんでも、と笑えば、和馬
君はやけに真剣な瞳で私を見つめてきた
。
「……あのさ、香坂って奴とは、仲いい
の?」
「……え、香坂?」
まさか和馬君から香坂の名前が出てくる
とは思わなくて、思わずきょとんとして
しまう。
ていうか……。