ライラックをあなたに…


俺は彼女を起こさないように静かにバスルームへと。


さすがにバイト上がりで汗臭い。

彼女はシャワーを浴びなくて良かったのだろうか?


もしかしたら、俺に気を遣っているのかもしれないな。

明日、起きたらシャワーを使って貰おう。




サッとシャワーを浴びた俺は髪をタオルで拭きながら、ソファで眠る彼女を見つめていた。


まだ少し蒼白い顔をしている。

二日酔いだったのにあんなにも働かせてしまって……。

今さらながらに申し訳ない事をしたと思った。



さて、どうしたものか。


別に彼女を家に泊める事自体は何てこと無い。

昨日だって泊めた訳だし。


だた昨日と違う事は、彼女が自らここを選んだという事だ。


まぁ、深く考える程、大した事じゃないのかもしれないが。


それでもやはり、俺は男だ。

『変な気が起きない』と言い切る自信は……無い。



だからこそ、どうしたものかと悩みあぐねる。




とりあえずは、彼女の寝場所を作らないとな。



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