続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
「伊勢谷先輩はどうなの?」


「うん!今日も放課後行ってくるよ」 


「今日退院だっけ?」


「そう!」






病院に運ばれたあと

陣は数日間、目が醒めなかった。




お医者さんからは、もしかしたらこのまま意識が戻らない可能性もあると言われた。



それほど陣の状態はひどかったんだ。



あたしは毎日、放課後に病室に通いつめて陣の目がさめることを祈り続けた。



あたしを逃がすため命がけで守ってくれた陣。



身体中が傷だらけで
包帯だらけの陣をみて…



陣、どんなに痛かったかな…



そう思うと胸が苦しくて、たまらなくて
震える手で祈りながら涙が止まらなかった。












目が覚めない陣のために、商店街のおじちゃんおばちやんも何度もお見舞いに来てくれたんだ。


おばちゃんなんて、すっかり陣のファンになって


「寝ててもイイ男ね~見飽きないわ」なーんて
毎日通いつめてくれた。


陣がいない間の守くんのことも
みんなが助けてくれたんだよ。


守くんはお兄ちゃん以外の家族がいっぺんに増えたみたいだって笑っていた。






たくさんの人が陣の回復を祈って

病室の中はお見舞いの品だらけで………

それは陣の枕元にまで広がっていた。







数日後


意識を取り戻した陣はまず最初に、病室の中にあふれかえるお見舞い品の多さに驚いたらしい(笑)




みんな陣の復活を泣いて喜んで……


あんまりにも賑やかだったせいで看護士さんたちに怒られたりもした。








陣……

あたしもみんなも、陣が大好きだよ。



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