心さん、そろそろ俺にしませんか?



ていうか、昼休みのあの時にいつもみたいに毒入ってねぇよなって言ってたけど、いつもって毎年もらってるってことだよな?


それに、前にキャプテンが西川先輩と心さんは家が近いって言ってたけど……毎年本命のつもりで渡してたんだろうな。


「おい!西川!昨日食ったか?」


すると、廊下から心さんの声が聞こえてきた。どこにいても、あの声は聞こえてくるんだ。


「毎年毎年、お前は俺を殺す気か!それに昨日、サッカー部もほぼ全滅したぞ?」


「そんなにヒドいのか?ちゃんと味見したんだけどなー」


そう言いながら、俺達の教室を通り過ぎる。俺の足は心さん達が見える位置へと進んでいた。


「でも、去年よりは上達してたぞっ」


「本当か!?っしゃー!」


「あぁ。で、今年もアレ行くか?」


「もちろんだ!今回も負けねぇからなー?」


アレって何だ?


「よし!じゃあ、ホワイトデーの日は予定いれんじゃねぇぞー!」


「多分な!」


「西川、お前なー!」


そう言いながら去ってしまった2人だった。



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