心さん、そろそろ俺にしませんか?
久しぶりで最初はバットを振ってもかすりもしなかったが、徐々に感覚を思い出し、ホームランもバンバンかっ飛ばしてやった。
「お前、やっぱりすげ~!」
ベンチに腰をおろしたと同時に、イチが言った。俺達は休憩をするために、外にあるベンチに腰掛けた。
「剣道の素振りが利いてんのかもな」
「だったら俺はどうなんだよ~」
「知らね」
ギャーギャー言うイチを放置して、持っていたコーラをがぶ飲みした。
「優生、俺さ、振られたんだわ」
だけど、イキナリの爆弾発言にコーラを吹いてしまった。汚いって!と苦笑するイチ。俺は慌てて口回りを拭う。
「だ、誰に?」
「女」
「んなことわかってる」
聞きたいのはそこじゃねぇ。
「いや、そいつの気持ち知ってて告ったんだけどな~。やっぱり無理だった」
「だから、誰だよ」
「見ててわかるのに、なんで気づかねぇんだろうな」
「おい、イチ……」
「鈍感って困る……な、優生」
寂しそうに俺の顔を見たイチ。え?俺?
「そいつ、お前のことが好きなんだって」
「は?……そいつ?」