心さん、そろそろ俺にしませんか?




そして、晩飯を済ませるとすぐさま部屋へ戻った。姉貴と話していたおかげで、心さんの連絡先を登録していなかったのだ。



「……できた」



ケータイの画面に新規登録された心さんのケー番とメアド。それと追加で自宅の番号も。そして、自然と緩む頬。今の俺絶対にキモいな。



──【原田です。さっきはありがとうございました。楽しかったです】



そして、メールを作成して一応ケー番も添付して、心さんにメールを送信した。それから部屋を歩き回って返事を待ち、返事が来たのは30分後。



──【原田の情報を頂いた。流出に気をつけろ!】



メールを見て、思わず吹き出した。何だよ、これ。心さんのメール超面白いんだけど。さらに続きを読んだ。



──【こちらこそサンキュー。また学校でな】



心さんは、女の子らしくなくて女の子らしい。ガサツに見えて、結構繊細な面があって……可愛くて。



俺、相当心さんにハマってんなってつくづく思う。それと同時に、叶わない願いを抱く思いが強くなる。



俺に、振り向いて欲しい。



俺のことを、好きになって欲しい。



そして俺は、届かない思いを抱きながら、メールを何度も読み返していた。



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