心さん、そろそろ俺にしませんか?






「予定通りにできそうだ」



合宿所の予約が遅くなってしまったが、キャンセルの団体があり、合宿が出来ることになったのだ。



「年末は難しくてな、年始の4日から3泊4日で組んだがよかったか?」



「はい。正月太りを解消できそうで何よりです」



「お前、合宿の趣旨を忘れるなよ。ダイエットクラブじゃないんだっての」



そう言って監督は笑った。



「そういえば原田。テストの結果があまり思わしくなかったんじゃないか?お前の担任が嘆いてたぞ」



「あはは……まあ」



「部活もだけど、まずは勉強だな。留年とかなってみろ。お前の片思いの相手も引くぞー」



「それとこれとは別です。恋愛を混ぜないでください」



「チア部なんだろ?えーっと名前は」



「失礼します!」



「勉強頑張れよー」



顧問の部屋のドアを閉めてため息を一つ。ったく、最初から勉強のことだけ言えばいいのに、あの顧問め。



「優生~顔赤いよ~」



そこへイチの登場。



「イチ、心さんのこと言った?」



顧問の部屋を見て聞く。



「さ~て、練習してこよう!」



……図星かよ。



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