睡魔をイケメンに擬人化してみた
なつみは、かれこれ5年、彼氏がいない。
大学生の時、初めてできた彼氏との関係が、社会人になったとたんに自然消滅して以来、浮いた話はない。
元来生真面な性格で、次の恋愛は仕事を一人前にできるようになってからでないと、なんて思っているうちに、今に至る。
仲のよかった友人は、地元に帰ってしまったり、結婚して引っ越してしまったりで、連絡する回数もめっきり減った。
もちろん現代では、フェイスブックやツイッターがあれば遠く離れている友人とも繋がっていられる。
メールやスカイプがあるので、思い立った時にすぐ、連絡ができる。
孤独にならないインフラは整っている。
しかし、それがどうしたというのだ。
フェイスブックで繋がったとしても、会っていないのなら、この淋しさは埋まらない。
―他人と、心が触れ合う、実感が欲しい。
次々にアップされる友人たちの充実した写真を見て、自分と他人とを比較して落ち込むなんて、まっぴらだ。
なつみは、漠然と感じている淋しさの解消方法がわからないまま、何年も生活を回し続け、ゆっくりゆっくり、寂しさに麻痺しはじめている。
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