ユメかふぇ。
きらきらした少年。
「きらきら」
ここは夢かふぇ、夢が叶う場所。
わたしは夢かふぇ案内人のチャンスの神様。先程からそんな私を邪魔とでもいう風に手で払っているこやつは神山タクト、チャラい風貌をしているがかなり有名なミュージシャンなのだ。え?そんな有名な人がカフェ店員をしているかって?まあそれは追々話していくとしましょうかねぇ(^_^)
ちなみに私の姿を見ることが出来るのはここのオーナーしのさんとこの神山タクトと先程からそこでチョロチョロと手伝っている坂本涼平の3人だけなんだな。
「涼平休んでいてもいいんだぞ」
タクトが柄にもなく涼平を気遣っている。
「大丈夫です!僕ここ好きだから♡」
涼平は満面の笑顔で答えている。涼平はサラサラの髪を少し右に流していて、綺麗な二重瞼なんだよな、少しぽっちゃりな唇をアヒル口にするとめちゃ可愛い~♡
上京してきた当初は野暮ったい感じがしたけど、1ヶ月もしないで都会の着こなしを覚えたのか、日に日にファッションセンスは目を見張るものがあった。
「おはよう~☆」
ちょっと渋い感じのお兄さんがカウンターに入ってきた。このお兄さんは実は舞台俳優をやっている石塚正巳、俳優だけで十分食べていけるのだが何故かここに手伝いにくるのだ。
「おはようございます!正巳さん今日も宜しくお願いします!」
そう涼平は俳優を夢見て上京してきた。だから石塚は憧れの存在そのものなんだ。
「ふふん、随分態度が違うね~涼平くん♪」
タクトが思わずからかう。
「え?あ…そ、そんなことないです!タクトさんのことも尊敬しています!」
慌てて言い訳している涼平をニヤニヤしながら見ているタクトと正巳。
「そういうとこ可愛いね~♪」
悪戯気な笑顔でいうタクト。決してイケメンという感じではないが少し長い前髪を左サイドに流すような感じで清潔感を感じさせるヘアスタイルにしている。デニムのシャツとこの店のエプロンが妙にマッチしていてお洒落、意外とこの店では人気NO1になる程のカフェ店員なのだ。
「涼平く~んちょっとイイ?」
奥からオーナーの辻崎しのが顔を出した。ふっくらした中年の女性で癒し系というべきかな?底抜けに明るい人だ。
彼女の過去には悲しい過去もあるのだがそんなこと微塵も感じさせない。この彼女しのさんに見こまれた人間は夢を掴むことが出来るんだ。まあ本人は気付いていないようでこのチャンスの神様の私が居るからだと思いこんでいるよう^_^;
さて今回このしのさんに見こまれた涼平くんがどんな夢を掴んでいくのか?皆さんも一緒に見てみたいとは思いませんか?
そうここは夢かふぇ夢が叶う場所。
つづく。
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