【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~
3年生になっても、私と柏木はまた別々のクラス。
相変わらず私は柏木とはまともに会話することもできないまま、ただ遠くから見つめているだけ。
身長もグングン伸びて。顔立ちも大人びてきた柏木は、見るたびにカッコよくなっていく。
そんな柏木を見ていると、もうそこには私の知っている柏木はいないような気がして、柏木の存在がますます遠くに感じるようになっていたんだ……。
そして、柏木は3年になってからは女子と一緒にいることも多くなった。
廊下でくだらない話で盛り上がって、柏木と笑いあっているあの子たちがすごく羨ましかった。
私はそんな柏木の姿を見ることがツラくて、いつの日か、自ら柏木を避けるようになっていたんだ……。
私は、柏木のことが好き。
その気持ちは何も変わらない。
それどころが、好きな思いは日に日に募っていくばかり。
だけど、1年の時とは違って、今はもう柏木にこの気持ちを伝えるつもりはなかった。
告白したとしても、フラれることが目に見えているから。
だから、私は自分の中で決めたんだ。
中学を卒業する時がきたら、その時に柏木からも卒業しようって。
だから、それまでは好きでいさせてください……。