なんで俺じゃあかんねん

店の入り口の方からして振り返った。


「あ!」

葵も気づいたように、その男に笑顔を向けている。


・・・・・誰や、あれ。

175はある背の高い男。

顔もなかなか良いやん・・・。

二人は、それぞれの友達を放ったらかしで話し始めた。



な、なんやあいつ・・・

彼氏?

いや、葵に彼氏ができたらすぐわかるはず。

あいつわかりやすいもん。


「おい、ハル・・・。」


リキトが心配そうに俺に囁く。

答えずに、俺は葵と男の様子を伺う。


「お待たせしました!」


すっげえ嫌なタイミングで料理がきた。

俺は仕方なく店員の方に向き直った。


「ごゆっくりどうぞ。」


店員が行ってからもう一度入り口を見たけど、もうそこには誰もいなかった。

どこ行ったんや?


「お!ハルの姉ちゃんもう帰るんかな?」

斉藤の声に窓の方を見ると葵が友達と駅の方へ向かってるのが見えた。


じゃあ、男の方は?


< 25 / 485 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop