なんで俺じゃあかんねん
でも、逸らしたら、なんか負ける気がして
俺はそのままあいつを見続けた。
あいつも、一瞬眉をひそめてから俺を見続ける。
その表情は、不思議そうにも見える。
「海?」
海・・・?
確かに、そう聞こえた。
呼ばれて、俺から目線をはずし
『なんでもない』と言うように笑っている。
海・・・・か。
ふうん、海、ね。
とりあえず、一回葵に探りいれてみよう。
葵は単純やから、話ふったらすぐにぺらぺらと情報をしゃべるだろう。
俺はそんなことを思いながら食事を再開した。