なんで俺じゃあかんねん
「おい!」
斉藤が一点を見て俺たちに呼びかける。
「あの人ら、バスケ部やで。」
「まじ?」
リキトが斉藤の目線を追う。
俺も見る。
そこには【basketball club】の文字が書かれたおそろいの黒いエナメルがあった。
じゃあ、あいつも・・・。
あいつは、一番壁側に座ってて鞄は机の下、足元にあるから模様は見えないけど
手前の3人がみんなバスケ部なら、あいつもおそらく。
「てことは、先輩になる人やん。」
「おい、リキト。
部活は違えど、M高の人らはみんな先輩やろうが。」
「あ、せやな。」
横で笑い合ってる奴らは放って、俺はあいつを見ていた。
ときどき話をふられたりして笑ってるあいつ。
あの中ではダントツで顔がいいし。
なんか、わかる。
あいつ、きっとバスケも上手い。
なんとなくわかるんや。中学の時もそうやった。
できる奴は、なんか・・・
こう、とにかく、他と違う感じがする。
オーラ?っていうんかな・・・。
そんなとき
あいつが俺に気づいた。
バチッと目が合った。
やべ!
なぜかそう思った。