なんで俺じゃあかんねん
ゲームはそれなりに盛り上がりながら、順調に進んでいった。

俺は、喉が渇いて、一人少し離れたところの自販機に来ていた。

「坂井くん!」

呼ばれて、見ると清水さんだった。

「どしたん?」

「うちも、ジュース買おうと思って。」

「そっか。」

自分の分を買って、帰ってきたお釣りをまた自販機に入れる。

「え?」

その行動を不思議そうに見る。

「なにがほしいん?ついでやから一緒に買うわ。」

「いいよいいよ!」

そう言って、つり銭返却のレバーに手をかけようとするから、そのレバーを先にそっと隠した。

「いいから。清水さんには、いろいろお世話になってるし。」

「なにそれ。」

くすっと笑って「じゃあ。」と、甘えてくれた。

彼女はりんごジュースを買ったのを見届けて、

俺はそのまま戻ろうとした。

けど、引き留められた。

「ちょっと話せえへん?すぐ済むから。」

「おー。」

なんかよくわからんけど、断る理由もないし、俺たちは近くのベンチに腰掛けた。
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