なんで俺じゃあかんねん
「さっきはごめん。」

笑っている葵に、小さく謝る。

そして、繋いでいた手をそっと放してブランコに腰掛けた。

葵も何も言わずに隣のブランコに座り、漕ぎだす。

「おい、危ないぞ。」

これも、トラウマのようなものか。

ブランコを漕いでる葵がやたら心配になる。

「大丈夫やって!」

漕ぎながら、俺を振り返る。

少しの間、ブランコを漕ぎ続けた後、漕ぐのをやめた。

漕がなくなれば、次第にブランコのふり幅は小さくなっていく。

足をついて、ブレーキをかけようとはせず、葵は静かに風に揺れていた。


「あのときも、今も・・・私はずっとハルに振り回されてるね。」

葵がやっと足をついて、また俺を見る。

「どういう意味やねん。」

「そのまんまやわ!

だから、今日のことも・・・もう慣れてるから。」

あーそういうこと。

だから、気にするなってこと。

分かりづらいねん、あほ。

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