なんで俺じゃあかんねん
ないないない。
葵が可愛いとか、それこそ死んでもない。
生まれ変わっても、あいつが可愛くなることはない。
憎たらしさが増すことは、十分考えられるけど。
一応、探っとく。
「葵は可愛いんですか?」
「え・・・!?」
あ。また、笑顔くずれた。
あからさまに慌てて、少し顔が赤くなっている。
「いや、まあ、おまえよりは、な。」
視線をそらして、頬を掻いている。
なんや、その反応・・・。
ムカつく・・・。
その顔・・・
おまえ、ちょっと葵のこと気になってるやろ。
なにシャイボーイ気取ってんねん、こいつ。アホちゃうか。
「へえ。」
内心、めちゃくちゃ思いながらも、また俺は差し支えのない返答でごまかした。
やっぱり、絶対こいつだけは超えなあかん。
てか、なんやねん!こいつ。
さっきまで、バスケしてるときは、すごかったくせに、
バスケから一歩でたら、ナヨナヨヘラヘラしやがって。
しかも、デレやがって。
あかん!
こいつは同じ男として許せない。
しゃきっとしろ!