なんで俺じゃあかんねん
葵と両想いになった俺は、自覚もしてたけど
周りからもバレバレなくらいに浮かれていた。

それは部活でも同じ。

インターハイ敗退し、何人かの3年生は引退した。

けれど、冬の大きな大会に向けて練習は続く。

先輩たちも気持ちを次へ切り替えていた。

俺ら1年も、抜けた先輩たちがいる分、試合に出られる可能性があがる。


たぶん、はじめはそれがうれしくて浮かれていると思われてたらしい。

もちろんそれもある。


でも、1週間と少し経った頃。

その日は午前の半日練習で、部活帰りに1年7人で例のごとくファミレスで飯を食っていた時、祥ちゃんに言われた。

「ハル、もしかして彼女できた?」

思わず、飲んでいたコーラを吹きだしそうになった。

慌てて飲み込んで逆にむせる。


「え!まじ?」

言った本人もまさか図星だとは思っていなかった様で、目を見開き手元も止まっている。

「うそ!!」
「ハルまじか!」
「えーーー!!!」

俺の反応に、祥ちゃん以外の奴らも一斉に騒ぎ出した。

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