なんで俺じゃあかんねん

「坂井くんってさ~、彼女おらんってホンマ?」

また、その話題か・・・。

「うん。おらんよ。」

「んじゃあさ、LIAN交換しようよ!」

横山さんって元気やな。

なんか、他の女子のタイプと違う・・・。

さっぱりしているというか。

「ええで。」

流れでLIANのIDを交換。


「よかった。彼女とかおる男子ってID聞きにくいからさ~。」

「そういうもんなん?」

「そういうもん!」

へえ・・・。

なんや、じゃあまえに写メ撮ってきた女子らとは違う理由で、俺に彼女がいるか聞いたわけか。

と少し関心。


「亜優!!」

そうこうしているうちに
横山さんは、隣の女子に名前を呼ばれてその子と話し始めた。

社交的な子やな~。

なんか友達も多そうやし。

分かる気がするわ。


そんなとき、俺もトントンと背中をたたかれた

反射的に振り返ると黒ぶちめがねをかけているのに、そんなに頭よさそうに見えない男子。

「俺、三木 将人(みき まさと)!よろしく~。」

「俺は、坂井 春也。」

「知ってる、知ってる。聞こえてたし。」

「そうか~!・・・・って、なに?」

めっちゃ見てくる、こいつ。

眼鏡の奥で、目を細めて。観察するように。


「いや・・・・おまえ、その顔は反則やで?」

はあ・・・もう、この話題良いって。

否定するんも、めんどくさくなってきたし。


「でも、俺ひがんだりとか、ないから安心して!

俺、彼女おるから。」

「あ、そうなん?」

「うん!とるなよ。とったらさすがにうらむぞ!」

机に手をついて俺をじっと見てくる。

「とらんって。誰かも知らんのに。」

第一、俺の好きな奴おるし。

「このクラスちゃうから、またおったら言うわ。」

「うん。」

別にどっちでもいいけど・・・。






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