。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
ジーンズのファスナーを緩めて、ジーンズのベルトからちらりと見えた戒のパンツ。
今日はバーバリーではなく、黒っぽいボクサー…
ちょ、直視できん。
あたしがぱっと顔を逸らすと、戒は再びあたしに覆いかぶさってきた。
戒の爽やかなミントの香りに混じって…清々しい汗の香りが近づいてきて、ドキンと胸が波打つ。
再び戒の手があたしの背中に回り、あたしは戒の首の後ろに手を置いた。
「さ、寒くない…?」
あたしが聞くと
「熱いぐらい」
「でも…おめぇ顔色悪いよ…」
あたしが戒の頬に手をやると、戒は目を伏せて僅かに眉間に皺を寄せる。
カーテンの隙間から差し込む僅かな陽光に照らし出された戒の顔はいつになく青白い。
「気のせいだ」
何でもないように言ってるけど…こめかみを一筋の汗が流れ落ちて
戒はむき出しの胃を押さえて小さく呻いた。
「………っつ!」
「だ、大丈夫かよ、お前!」
あたしは起き出して戒を覗き込むと、
「大丈夫だ……」小さく呻いて腹を押さえ、それでも額に手をやりながら
「……こんなときに……」と苦しそうに目を瞑る。
どうやら胃の痛みが再来したようだ。
あたしは立ち上がると、押入れの襖を開けた。
「どないするつもりや…」
戒が聞いてきて、あたしはそれに答えず布団を取り出した。
困惑している戒の横に布団を敷くと、
「お前寝た方がいいよ!」
あたしは戒の腕を引っ張って戒を布団に引きずり込んだ。