。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



戒はあたしの横の髪をそっと掻き揚げると


相変わらずの痺れるような甘いヴォイスで


「さっきの続き……しよ?」


と囁いてきた。


その低くてくすぐられるような甘い声に、あたしの耳の裏が粟立つ。


「…え…だって、お前具合は?」


思わず聞くと


「何もかも話せてスッキリしたって言うか……今、落ち着いてる。


さっきはごめんな」


戒はちょっと恥ずかしそうに笑って、あたしの腰を引き寄せたまま、後ろ手で器用に襖を開ける。


「いいよ……あたしも…」


言いかけた言葉は戒の唇に吸い取られ、口付けを交わしながらあたしは戒の暗いお部屋に…


暗い…





「消灯の時間です、戒さん」





戒のすぐ背後でキョウスケの声が聞こえて


あたしたちは揃ってビクッ!!!


「きょ、響輔!?おめぇ何で居るんだよ!」


戒が慌てて振り向いて、


てかキョウスケ!居たのかよ!またまた闇に溶け込んでたぜ。


「何でって、俺は戒さんの専属看護士だからです。さぁ寝ますよ」


ぐい


キョウスケは戒の首根っこを掴んで、あたしから引き剥がす。


「いやや!ナースは可愛ええ方がええに決まってる。


朔羅~」


戒は必死にあたしに手を伸ばしてきたが、ぺしっとその手をキョウスケが払う。


「(下半身が)元気になったからってそうはさせません。


戒さんは今日は俺とねんねです」


キョウスケはすでに敷いてある布団に強引に戒を寝かしつけると、


「お嬢、今日は色々ご迷惑をお掛けしました。


戒さんは俺が見張っておきますので、どうぞゆっくり休んでください」


真顔でそう言われて


「あ、ああ…」


あたしはそう頷くしかできない。



まー…さっきは一瞬、そうなってもいいかな…って思ったケド


やっぱいきなり野獣の戒と………




無理だな。



無理、無理。



結局



「キョウスケ、サンキュ♪おやすみ~♪」




久しぶりにゆっくり眠れそうだ♪♪




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