。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「む゛ーー!!む゛ー!!」
タイガはクッションを押し付けられて苦しそうにもがいていたが、あたしはその隙にタイガの腕を取り押さえ、戒に目配せ。
戒は本気で窒息死させる気でいたのかクッションを押し付ける手を緩めず、視線だけをタイガの腕に向けた。
そこにはあたしが以前見た
トライバル模様のタトゥーが。
やっぱり……見間違いじゃなかった!
戒もそれを目に入れてちょっと目を開くと、ようやくクッションから手を離した。
「ぷはっ」
タイガは苦しそうにクッションを退けると、少しだけ咳き込んで
「君たち二人と一緒にベッドは危険だな」と苦笑を浮かべている。
―――
リビングに戻ると、キョウスケ一人、大人しく出されたウーロン茶を飲んでいた。
パソコンは脇によけてあって、キョウスケが触っていた形跡は残されていない。
あたしはキョウスケに目配せすると、キョウスケは無言で首を横に振る。
やっぱ時間が足らなかったか…
ピザが届いて、しっかり食事だけをすると
「帰っちゃうの??泊まっていけばいいのに~」とこれまた残念そうなタイガに見送られ、
あたしたちは文字通り通り食い逃げ。
そそくさとマンションをあとにした。