。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
迫りくる赤いレーザーの直線が縦横に走り、俺の足元をかすめて行き、俺の目の横を通り過ぎて行った。
『戒さん―――……?』
「―――……ふー…セーフ」
俺は何とか赤外線のレーザーを避けることができたが…
右足は天井までピンと伸ばし、左足は折り曲げ、
右手は壁を押しやり、左手は床。と言うけったいな状態で何とか体を支えている。
頭を低めてレーザーの狭い隙間に体のあちこちをねじ込めている状態。
『―――……はぁ』
響輔の深いため息が漏れ聞こえてきた。
『中国雑技団のような恰好ですね。体が柔らかくて良かった』
「戯言言ってないで早く何とかしろ!この態勢長くは持たねぇんだよ」
『今やってます。タブレットからなんで侵入が難しい…』
響輔の緊張を帯びた声を聞いて、
「めっずらし~響ちゃんが弱音??」
俺はこのままの態勢で響輔に冗談交じりに聞いた。
大変なときこそリラックスが必要だろ?
『戒さんこそ、赤外線ビームが怖いんですか』
と、しっかり冗談を返されたが。
「怖かねぇよ!ただちょっとびっくりしただけ…」
強がってみたが、目の横すぐのところに赤外線が走ってるかと思うと
やっぱちょっと緊張で、汗のしずくが額に浮かぶ。
この種類のレーザーがただの侵入者を感知するものか、または攻撃できるものなのか分からなかったが、迂闊に手を出せない。
「怖かない」
もう一度言ったが
額に浮かんだ汗の一粒が頬を流れ、顎に伝い、
ポツン…
やがてその滴が落ちると、真っ赤に光ったレーザーのところで
ジュッ!音を立てて蒸発した。
「怖っ!!」
何でもいいから早くして~~響ちゃーーーん!