。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。


イチの目的は何なのか、あたしたちを翻弄しかき回す。


あたしたちはあの手この手でイチの正体を暴こうと試みた。


 戒 VS ドクター


『衣装。忘れ物だよ♪


君の目的は分かってましたよ。まさか正面きって乗り込んでくるとは思いもよりませんでしたが。


これだけは言っておこう。


“事実は小説より奇なり”―――とね』


変態ドクターの真意はいつだって謎。


でもいつだって遠回りだろうが、あたしたちに真実を教えてくれる白衣の救世主。


一方、


 キョウスケ VS 鴇田(弟)


『お嬢がイチさんの数珠を引っ張ったときに取れたものです。


この数珠に付着した汗でDNA鑑定ができる。


俺は、鴇田さん―――あなたがの近親者でないかと踏んでます。』


『なるほど、取り引きを持ちかけようって言うのか。お前の目的は何だ』


『俺の目的はただ一つ―――俺か、戒さんを―――青龍会本部に連れて行ってください』


DNAが付着してるとか嘘ぶっこいて鴇田を脅し、青龍会本部に連れて行く約束を取り付けたキョウスケ。


そんなさ中、


『朔羅!お前今テレビ見てるか!?』


『待望の新人女優“you”主演、“双りぼっち”9月20日上映―――』



謎に包まれたあの女の正体が女優であることを突き止めたのはいいケド


今度はイチがキョウスケにぞっこんLOVE!?



『朔羅なんてやめて、


辛いだけの恋なんてやめて


あたしにしなよ』




ストーカーまがいなことをしてキョウスケを困らせている。


あいつ…ただでさえ細いのに、また痩せた??




一方で叔父貴があたしに愛の告白!?


『たった一度でいい。


俺に想い出をくれ。


お前の香りに満たされて、


お前の肌を、体温をこの体でしっかりと感じさせてほしい


お前が小さい頃からずっと―――



ずっと、ずっと見守り慈しんできた。


お前は俺にとって大切な宝物。


俺にとって唯一無二の絶対的存在だ。





愛してる』




いきなりそんなことを言われて戸惑うあたし。


叔父貴には長い間片想いをしてきたわけだけど。


いきなり言われても困るって言うか。


ってかこのタイミング!?


それぞれの複雑な恋愛事情が絡み合い、あたしたちは混乱するばかり。




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