抹茶モンブラン
 言われた通り、最初は少しひんやりしていた唇がどんどん温かくなって、最後には彼の口から生暖かいものが口内に押し入ってくるのが分かった。
 ちょっとビックリして抵抗したけど、彼は全くディープキスを終える様子が無くて、まるで私の事を食べてしまいそうなほどの激しいキスを繰り返した。

「どう……甘くなってきたんじゃない?」

 お互いうつろな目になって、見詰め合う。
 もっと先を知りたい気持ちになっていたけれど、私は着ていたパジャマにかけられた彼の手をそっと拒絶した。

 まだ……まだ肌を触れ合うには心の準備が出来ていない。
 光一さんもそれを理解してくれて、それ以上無理な行為はしてこなかった。

「鈴音が眠れるまで傍にいるよ」

 そう言って、彼はまた私の横で添い寝してくれた。
 睡眠薬より、彼の隣で眠る方が私には効き目があるようで、結局次の日の朝、着替えも済ませた彼に起こされる始末だった。
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