『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
「あれ、野島さん」


香奈が声をかけると

野島は嬉しそうに
カールした髪の毛先を揺らした。



「あ、この前はありがとう!」


野島は香奈の手を両手で握り締めた。


相変わらず

綺麗にネイルしてあって
艶やかな肌だ。



それに比べて私の手は……


常に手を洗っているし
最近は消毒液で
かぶれて

がさがさの痛んだ肌。


職業柄
爪なんか伸ばせないし

ネイルなんて
もってのほかだ。



でも、恥ずかしくて
手を離してから

背中の方へ
隠していた。
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