『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
「林さんは?」


「とっくにタイムカードおして
帰りました」


「え、私いつから?」

壁の時計を見ると
時刻は21時。



「21時って、ええ?」



「ったくそんなに寝顔を見せられてると
襲いそうになったんだからな」


「はい?あの?」

事情がわからないまま
若先生の車の助手席に乗せられた。



車が発進すると

若先生が

「そうだ、尾上さんが今日で終ったろ?
親切に治療してくれてどうもって
舞台のチケットくれたんだ。

2枚」

シャツの胸のポケットから
チケットを覗かせた。



「え?それなら私も前にもらって

たしか 
この財布に入れて……」



財布に入れたはずのチケットが
何度見ても
見当たらなかった。


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