『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
「もしもし、
どうした?香奈」


「もしもし、馬鹿先生ですか?
違ったー。若先生ですか?

田端ですけどねー」


「酔ってるのか?」

「酔ってるかっていえば
ほんのちょピットだけ…

ねー尾上さん」



尾上は
ふらついて電話をかけている香奈の手を掴んで
倒れないように
部屋の中を
ついて歩いていた。



「はいはい。
少し座れば?」



尾上の声を聞いて
若先生は

「電話を尾上さんに
変われ」

冷たい口調で
そう言った。


「えーーー、なんで?」


「いいから!
早くしろ。

聞こえてますか?
尾上さん!」

電話の向こうで
若先生が怒鳴っている。

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