湖都子のポエム

わずかな可能性にかけて…


どれだけ後悔しても
あの日には戻れない

ずっと謝りたかった
『ごめん』って
そして、俺の気持ちを伝えたかった
でも、何も言えなくて
現実はあっけなく終わった

これからの未来に期待を馳せて
今すぐこの状況をどうにかしたい
どうにもできない現実をはがゆく思いながら
後悔だけはもうしたくないから
今度こそ…
わずかな可能性にかけて
結局いつまても、気持ちを引きずっていた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
久しぶりに愛里にこの間会った
やっぱり、好きで…
泣いてる愛里を慰めたかった

そして、過去を思い出す
家が隣で、母親同士が仲良くて
愛里の母親が仕事の休みの日曜日には
毎週、家に遊びにきたり、一緒に出かけたり
仲良く過ごしてた
愛里を好きになるのに時間はかからなかった

そんな関係も変わる日がやってくる
いつもの日曜10時
愛里達がくるのをワクワクしながら待ってた
10時5分前、いつもよりも早い時間に
インターホンがなる
愛里達が来たと思って笑顔でドアを開けた
同じクラスの女たちだった

笑顔に勘違いした…のか?
「いつも断られるから、直接来ちゃった」
クラスで人気のある女の子が笑顔で言う
俺は愛里以外興味ないけど…
「ごめん、これからお客さんくるから」
そんなやりとりをしていたら
隣の家のドアがあいて
愛里と愛里ママが出てきた

愛里ママ「あれ、葵くんお客さん?」
葵「えっ…と、たまたまきただけだから」
愛里ママ「そうなの?」
クラスの女「葵くんの家に遊びにきたんです」
余計なこといってんじゃねー…
クラスの女「葵くんて、あの子好きなの?」
葵「愛里なんて、好きじゃねーし、ただの幼なじみで、毎週遊びにくるだけ」
こんなこと言うつもりじゃなかった
ただ、みんなの前で好きと言いたくなかった
クラスの女「だよねー、あんな地味子、葵くんにはにあわないよー」
そのやりとりを聞いてた愛里
「わたし、帰る…」そのまま本当に帰っていく
葵「愛里、待って」と言っても戻ってこない
愛里ママ「今までごめんね、迷惑かけちゃってたんだね、もうこないから」
そのまま、愛里ママも帰っていった
クラスの女「これで遊べるね」
ニコニコ言う
キモい、愛里の笑顔とは大違いだ…

母親がきて
「あれ、お客さん?愛ちゃんたちは?」
やりとりを知らない母親が呑気に言う
クラスの女「葵くんと遊びにきました」
母親「あら、まー、でもこれからお客さんくるから」と、話しはじめると
クラスの女「あっ、その人たち帰りました、もうこないっていってました」

それ以来、愛里親子はこなくなって
謝りたかったのに
ちゃんと気持ちを伝えたかったのに
何も言えなくて
愛里たちがこなくなって
代わりに、あの女たちが毎週やってくる
俺と母親の関係もギクシャクしはじめ
愛里は小学校を卒業していった

中学になり、サッカー部に入り
愛里が友達と見学しにきて
俺のことを見にきたと思ってドキドキしてた
なのに、俺のことを全く見ない
3年の先輩のところにいく
愛里はアイツと付き合ってると噂に
どれだけ後悔しても
幼なじみの関係もなくなって
ただ、家が隣の子と、言ってた
アイツに負けたくなくて、愛里に認めてほしくて、頑張って…
サッカーで全国大会で優勝しても、全然興味を示さなかった
アイツが卒業してから、見学にもこなくなり
何もないまま、愛里は中学を卒業していった

中3になり、また噂を聞いた
愛里がアイツにふられたと…
アイツは愛里のことを友達だと思ってた
高校で彼女を作ったらしい
愛里が可哀想だと思うと同時にチャンスと思い
愛里の制服を見て、志望校を決めて
偏差値が全然足りなくて、必死に勉強して
わずかな可能性にかけて
春からは愛里と同じ高校に通う…

高校での愛里のことは知らない葵
さー、これからの高校生活は、どうなる?
愛里に気持ちを伝えられるか?
この間の愛里の涙の理由は?
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