恋愛日記
いや、駄目だ。
あいつが選んだ幸せを俺が奪うなんて出来ない。
「俺じゃ、駄目だったんだもんな……」
追いかける資格なんて無かった。
ただ、俺が出来るのは、突き返された指輪がむなしく輝くのを見ているだけだった。
初めて本気で好きになった女だった。
中学の頃から人と関わるのが苦手で、
うまく人と距離をとるためにわざと髪を明るく染めた俺は
周りから浮いていていて、それでも不良だからという理由で片づけられた。
学校は楽しくなかったけれど、
人と関わらないことで、嫌なことがおきたりもしないからそれはそれで良かった。